おはようございます。 今朝もぐっと冷え込んで富士山が鮮明に見えています! 冬晴れのこの時期ならではの富士山はやはり美しいですね♪ 少し降雪があったのか白さが増したようです。 夜は氷点下になるところもあるようで、日中との気温差が大きい日が続いてます。 体調を崩さぬよう室内でも暖かくしてお過ごしください。 あっという間に1月も終わってしまいますね。 月末+金曜日で慌しいと思いますが、気合いで乗り越えましょう! それでは今日は“スワンボート”について書いていきます。 日本の水辺の風景といえば、真っ先に思い浮かぶのが「スワンボート」ではないでしょうか。のどかな公園の池や、山々に囲まれた湖で、優雅に、あるいは必死に足を動かして進むあの白い鳥の姿は、いまや日本のレジャーにおける「原風景」の一つと言っても過言ではありません。 しかし、なぜこれほどまでにスワンボートが日本中に普及したのか、その背景に隠されたドラマを知る人は意外に少ないものです。そこには、一企業家の情熱と、時代の変化、そして「しっぽ」が生んだ奇跡のヒット物語がありました。 スワンボートの歴史を遡ると、意外にもその発祥は日本ではありません。世界初のスワンボートは、1877年にアメリカのボストンにあるパブリック・ガーデンで誕生しました。 当時、ロバート・ワグナーという人物が、ワーグナーのオペラ『ローエングリン』に登場する騎士が白鳥に導かれるシーンにインスピレーションを受け、白鳥を模したボートを作ったのが始まりとされています。 しかし、現在私たちが日本の各地で目にしているスワンボートは、このボストンのものとは異なります。日本にスワンボートを定着させたのは、群馬県邑楽郡明和町にあるボートメーカー、株式会社スナガ(旧・砂賀造船所)でした。 1970年代前半、日本の水辺のレジャーは今とは少し異なる様相を呈していました。当時は手漕ぎボートに加え、小型のエンジンを搭載したモーターボートが人気を博していました。当時は免許がなくても手軽に乗ることができたため、多くの子どもたちや家族連れがスピード感を楽しんでいたのです。 ところが、手軽さゆえに事故が相次ぐようになります。これを受けて1974年(昭和49年)、船舶職員法(現在の船舶職員及び小型船舶操縦者法)が改正されました。これにより、たとえ小型の動力付きボートであっても、操縦には「小型船舶操縦士」の免許が必要になったのです。 この法改正は、水辺の観光地に大きな打撃を与えました。免許を持たない一般の観光客がエンジン付きボートに乗れなくなり、水辺から子どもたちの歓声が消えてしまったのです。 この状況を打破しようと立ち上がったのが、スナガの創業者である砂賀良夫氏でした。彼は「免許がなくても、子どもたちが自らの力で進めるボートを作れないか」と考えを巡らせました。 そこで彼が注目したのが、当時、観光地で大流行していた「サイクリング」でした。自転車のようにペダルを漕いで進む仕組みをボートに取り入れれば、免許は不要で、なおかつ手漕ぎボートよりも楽に移動できるはず。そう確信した良夫氏は、1975年(昭和50年)に日本初となる「足漕ぎボート」を開発します。 しかし、初期の足漕ぎボートは期待に反して全く売れませんでした。当時のデザインはシンプルで、機能性を重視した「箱型」に近い地味なものだったからだそうです。子どもたちの目を引くには至らず、レジャーとしての魅力にも欠けていました。 「もっと親しみやすいデザインはないか」と悩み続けていた良夫氏に、転機が訪れます。ある日、会社からほど近い群馬県館林市の「多々良沼(たたらぬま)」を訪れた際、シベリアから飛来した美しい白鳥の姿を目撃。 水面に浮かぶ優雅な白鳥の姿。これこそ水辺の乗り物に最もふさわしいのでは--。この直感に基づき、試行錯誤を重ねて1981年(昭和56年)、ついに白鳥の形をした足漕ぎボートが誕生しました。 ところが、完成したスワンボートも当初は苦戦。初期モデルは首の曲線などにこだわったものの、どこか「置物」のような印象が拭えず、爆発的なヒットには至りませんでした。 ここで、良夫氏はさらなる改良を加えます。それまでのモデルにはなかった「可愛らしいしっぽ」をデザインに取り入れたのです。このワンポイントの工夫が、ボート全体に愛嬌を与え、子どもたちの心を一気に掴みました。 一度人気に火が付くと、瞬く間に日本中の公園や湖の管理者から注文が殺到し、製造が追いつかないほどのパニック状態に。スワンボートの成功を受け、パンダやコアラといった動物シリーズも開発されましたが、やはり王座に君臨し続けたのはスワンでした。 誕生から40年以上が経過した現在でも製造風景は驚くほど変わらず、群馬の工場で一つ一つ職人の手作業によって作られています。 昭和レトロブームのいま、童心にかえり乗ってみてはいかがでしょうか。
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