【2023年10月17日 今日の富士山】
今朝も秋晴れ。綺麗な青空が広がって散歩日和ですね☆
夏日になるところもあるようなので、服装に注意してお出かけください。
さて、今日の富士山。全体がしっかり見えています♪
雪の量が少し減りました。今日の暑さでまた溶けてしまいそうです。
やっぱり雪の帽子を被った富士山はTHE・富士山!という感じがしますね^^
まだまだコロナとインフルエンザが流行中なので、手洗いうがいなど感染対策をしっかりおこなってお過ごしください。
今日も一日頑張っていきましょう!
それでは今日は“目にいい食べ物”について書いていきます。
「目にいい食べ物」というと、多くの人が真っ先に思い浮かべるブルーベリーですが、実ははっきりとした科学的根拠はないようです。
「一生視力を失わないように、目にいい食べ物を意識的に食べている」「目が疲れたら、緑を見るようにしている」。残念ながら、自分はよかれと思って続けている習慣が、実は科学的根拠に乏しい、それどころか目の健康を損ねかねない危険なものである場合も少なくないのです。
そもそもなぜ、ブルーベリーが目にいいと言われるようになったかというと、話は第二次世界大戦にまでさかのぼります。
当時のイギリス空軍は世界トップクラスで、特に夜間の空中戦では百戦錬磨の戦績を誇っていました。いったい彼らの強さの秘密はどこにあるのか──そこでイギリス軍部が流布したのが、「わが空軍のパイロットは毎日、アントシアニンという成分が豊富なブルーベリーを食べているから夜目が利く」という説だったとされています。
実際、この説を用いて有効性の根拠としているブルーベリーサプリメントもあるので、耳にしたことのある人もいるかもしれません。
ところが、この「ブルーベリーは目にいい」説は二重の意味で都市伝説でした。
まず、イギリス軍が流した説は、本当は「アントシアニンが豊富なブルーベリー」ではなく「ビタミンAが豊富なニンジン」でした。この説は当時、世界的にも支持されており、各国で「ニンジンを食べよう」キャンペーンが張られていたといいます。
この時点で「ブルーベリーは目にいい」説は覆されてしまうのですが、話はこれで終わりません。さらには「ビタミンAが目にいい」というのも、実はイギリスが当時の敵国・ドイツに対して用いたかく乱作戦だったという説があります。
イギリス空軍が強かったのは、戦闘機に夜間レーダーを搭載していたから。これが歴史の真実です。強さの秘密は食べ物ではなく最新テクノロジーであり、「◯◯を食べると目がよくなる」という説自体が、戦時中に作戦としてバラまかれたエセ情報だったわけです。
ただし、「ブルーベリーは目にいい」という説に、まったく根拠がないわけでもありません。「ニンジンは目にいい」も同様です。
ブルーベリーに多く含まれるアントシアニンには疲労軽減効果があるとされていますし、ニンジンに多く含まれるビタミンAが欠乏すると、視力が低下するということも立証されています。
したがって、アントシアニンには目の疲れの軽減、ビタミンAには栄養不足による視力低下の予防の効果が、ある程度期待できます。その意味に限って言えば、「目にいい」と見なしていいでしょう。
近年では「ルテイン」という栄養素も「目にいい」として注目を浴びていますが、やはり視力回復にはつながりません。ルテインに期待できるのは、加齢と共に発症リスクが高くなる「黄斑変性」の予防です。
黄斑は眼球内部の網膜の中心部にあり、そのまた中心(中心窩)には、ものを見るために重要な視細胞が集中しています。この視細胞を構成する栄養素がルテインと「ゼアキサンチン」です。
これらの栄養素が40代を超えて徐々に減少すると、やがて、ものがゆがんで見える、視野の中心が暗くなる、視野が欠ける、視力が著しく低下するなどの症状が出る「黄斑変性」という目の病気になります。
したがって「黄斑変性を予防する」という限定的な意味ならば、ルテインは、ある程度、「目にいい」といえます。ルテインよりは知名度が低いようですが、ゼアキサンチンという成分にも同様の効果があるとされています。
とはいっても、ルテイン単独ではなく、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛などを複合的に摂取しているところにルテインをプラスすると、黄斑変性の予防に一定の効果が期待できるというのが世界的な通説です。
ルテインの1日の推奨摂取量は、10ミリグラムです。特に濃い緑色の野菜にはルテインが多く含まれており、ケール45グラム、モロヘイヤ75グラム、小松菜130グラム、ほうれん草220グラムほどで、10ミリグラム相当のルテインを摂取できます。
また、卵のルテイン含有量そのものは少量ですが、卵由来のルテインは体内での吸収率が高いといわれています。
ルテインは水に溶けづらく油に溶けやすい脂溶性の栄養素で、熱変性もあまり起こりません。ですから、先に挙げたような野菜の炒めものや卵とじは、効果的にルテインを摂取できる料理といえます。下ゆでなどでルテインが大量に流出したり破壊されたりする心配もありません。
また、ルテインはたくさん摂取すればするほど効果が増強されるわけではありません。しかも、しばらく摂取し続けて血中のルテイン濃度が上がれば、それ以降は、さほど意識的に摂取する必要はなくなります。
となると、わざわざサプリメントを継続的に購入せずとも、日ごろの食生活をちょっと意識すれば十分にルテインを補充できます。
ただし、ほうれん草には結石を形成するシュウ酸が含まれているため、結石ができやすい人はルテインのサプリメントを飲むという選択肢もありでしょう。
昔から言われている「緑は目にいい」というのも誤解です。正しくは「遠くを見る習慣があると近視が進行しづらい」です。
昔は遠くを見ると、自然の景色が目に入ったのでしょう。そこから転じて「緑は目にいい」と言われるようになったと思われますが、重要なのは「距離」であって「色」ではありません。「遠方のスカイツリー」を見ようと、「遠方の山々」を見ようと、距離が同じならば効果に違いはないわけです。
では「遠方」とはどれくらいか。アメリカの眼科学会が出している指標は「6メートル」ですが、科学的には「2メートル以上」ならば遠方と見なしていいとされています。
この2メートルにも、もちろん根拠があります。ボーッと何かを見てピントが合う「調節安静位」は1メートル前後。ここが、いわば「近く」と「遠く」の境界線なので、それよりも遠くの2メートル以上は「遠方」になるというわけです。
次に、どれくらいの頻度で遠くを見ればいいかというと、これもアメリカの眼科学会から「20・20・20」という指標が提示されています。
「20・20・20」の意は、「20分間、パソコンやスマートフォン(こうしたディスプレー表示機器を総称してVDTといいます)を見たら、20秒間、20フィート先を見よう」ということ。20フィートは約6メートルですが、ここは先に述べたとおり、約2メートルと置き換えてかまいません。
ただし現実的に考えると、20分ごとに一息入れるのは難しいという人も多いのではないでしょうか。
実は日本の厚生労働省からも、上場企業に対してVDT症候群に関する指針が示されています。それによると、1日に4時間以上のパソコン作業を伴う事業者は「1時間に1回の目安で休憩をとるよう従業員に指導すること」と示されています。
アメリカの眼科学会の指標が現実的に厳しすぎるようならば、この指標に従うだけでも、何も意識しないよりはるかにいいでしょう。
まとめると、近視の進行予防には「緑を見る」のではなく、「パソコンなどディスプレーを見る作業中は、1時間ごとに、できれば6メートル、難しければ2メートル以上遠くを20秒間ほど見る習慣をつける」と覚えておいていただければと思います。
すでにかなり近視が進んでいる人は、「いまさら何をやっても無駄」と諦めてしまっているかもしれません。
でも近視は「進行が止まる」ということがありません。これもよく患者さんが口にすることなのですが、「近視が進むのは子どものころだけ」というのは間違いです。大人でも、高齢者であっても、生活環境や習慣次第で近視は容赦なく進行します。
例えば、外回りの営業職からオフィス勤務の事務職に転属になってから、急に近視が進行した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で家に引きこもりがちになり、動画配信サービスをたくさん視聴するようになってから、一気に近視が進行した──という話をよく聞きます。
逆に、都会暮らしだった人が山間部に引っ越したら近視が少し改善した。事務職だった人が外回りの営業職になったら近視が少し改善した。こうした事例も、よくあること。視力の変化は、存外に環境やライフスタイルによるところが大きいのです。
さて、かなり進行している近視は、たしかに元に戻すことはできません。だからといって目にいいことを一切習慣づけないままでは、さらに進んでしまいます。
しかも近視は、かなり進んでいる人ほど、さらに進行しやすいのです。
近視が弱い人よりも強い人のほうが、失明の原因疾患で上位に入る「病的近視(屈折度数は問わず、びまん性脈絡膜萎縮以上の萎縮性変化、もしくは後部ぶどう腫を有する状態)」になるリスクが高くなります。
怖がらせるようなことを言って申し訳ないのですが、近視で本当に問題なのは、「遠くが見えづらくなり、やがて手元も見えづらくなる」ことではありません。光そのものを失う可能性がある病的近視に発展する危険があることなのです。
実は近年、この問題は世界保健機関(WHO)でも非常に深刻視されています。
近視に「いまさら何をしても無駄」と諦めるべき段階などありません。今からでも進行予防に効果的とされる習慣を取り入れ、少なくとも、今より悪くなることは可能な限り防いでいきましょう。
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